無料のお茶

無料のお茶があれば、とにかく飲んでしまう。

 

無料のお茶というのは、給茶機という機械のボタンを押せば出てくる、お金のかからないお茶のことだ。

給茶機を見つけるとかなり嬉しくなる。だって無料でお茶が飲めるんだから。

私の実家では毎食後緑茶を飲む習慣があったので、一人暮らしを始めて緑茶を飲まなくなってからは本当に給茶機がありがたくなった。普段欠乏しているカテキンをせっせと摂取するのである。

 

給茶機は、いろんな所にある。

私が今もっとも利用しているのは、大学の食堂にある給茶機だ。たくさん積まれたお椀型のコップを給茶機のくぼみに置き、ボタンを押せば適量の温かいお茶が注がれる。この食堂が東京で一番優しい場所である。このお茶を何度もおかわりしながら、1人用の席に何時間も座り続けている。

 

次によくお世話になるのが、競馬場にある給茶機である。

この給茶機は、ボタンを押すだけで紙コップが自動的にストンと落ちてきて、同時に給茶を始める。多少過保護かと思うぐらいだが、競馬場には汚い年寄りが多いので下手に操作させるよりはいいのだ。しかしこの紙コップは金属のプレートで割としっかり固定されているので、取る時にお茶をこぼして火傷する可能性が高い。先日も、焦っていたおじさんが勢いよく紙コップを取り出し、中身の6割ぐらいを手の甲に浴びて悲鳴をあげていた。競馬場で焦る年寄りは醜い。

 

そして、最後に紹介するのが高速道路のサービスエリアなどにある給茶機である。

この給茶機は、水・お湯・緑茶・玄米茶と、なんと4種類の飲み物を無料で提供してくれる。さすが有料道路。

ここではもちろん、他の給茶機にはない玄米茶を飲む。紙コップが小さく一杯が少ないため、いつも4,5杯飲む。また、かなり熱い状態で給茶されるので、サービスエリアを出発する直前におかわりしてしまうと慌てて飲んで火傷する恐れがある。競馬場の年寄りと同じく、無料のお茶で火傷するのは非常に情けないので気をつけたい。

 

給茶機は、普段の生活でお茶を飲む気力のない人間を虜にする。

「ボタンを押すだけで温かいお茶が出てくるなんて、そんな都合のいい話があってはいけないのだ」と分かっていながらも、誘惑に負けてしまうのだ。

向こうから「また来てね」などと言うことは絶対にない。絶対にないが、我々が会いにいけば、給茶機は必ず待っていてくれるのだ。

 

 

 

熱いお茶の美味しい季節が来る。